ピネッティ社は、1983年建築家であるアルベルト・ピネッティとその妻エツィア により設立されました。クラッシックでナチュラルな素材を使用していながらシンプルで洗練されたフォルムを持つピネッティの製品は、人生における感動や喜びを残せるノートやアルバム、ゲストブックやアクセサリーとして完成されました。そんなピネッティ社のものづくりについてエツィアさんに伺いました。

ピネッティファミリーの皆さん

- ピネッティ社について教えて下さい。
会社を設立するに至った経緯はちょっと変わっていて面白いですよ。私たちの会社は1983年に友人達のリクエストに答えるかたちで設立しました。
当時、結婚して間もないアルベルトは自分達の家で使うアイテムを自分でデザインしていました。なぜなら、私たちが本当に欲しいと思うアイテムを売っているところが無かったからです(例えば、とても大きな木のトレーだとか、5kgのパスタを収納するための木箱など)。
私たちの家には沢山の友人が訪れましたが、その友人達がそれらのアイテムを見て、自分達も欲しいから、是非プロデュースするべきだと勧めてくれた事が会社設立のきっかけです。
ベルガモでは昔から木製の小物や家具作りが盛んで、ピネッティも会社設立当初は木で作ったホーム・オフィス用のプロダクトを製造していました。それから数年後、木とレザーを組み合わせたデザインのアルバムを考案した時、レザーと木の組み合わせがお互いを高め合う素晴らしい相性だと確信し、それからレザーと木のプロダクトを作るようになりました。
- 素材と製品のクオリティに対するこだわりを聞かせて下さい。
基本的にすべてのプロダクトは、イタリア国内の自社工場で手作業により製造されています。レザーはイタリア・トスカーナ地方のタンナーでなめされた革を使用します。ピネッティの製品のための特注色や特殊な加工を依頼することもたびたびあります。
レザーを購入する時に最も大事な事は、価格ではなく品質が最優先だという事です。レザーは天然素材なので、たとえ最上のクオリティの革であったとしても、表面にいくつか傷がある場合がほとんどです。そのため、革選びと裁断には細心の注意が必要です。
- 製品作りにおいて心がけていることは何ですか?
製品作りには様々な要素のバランスを重視しています。例えば、Radicaというシリーズのアルバムはニレの木かポプラの木の根やコブの部分を用いて作られます。木の節の部分を薄く薄くはいで、別の木の板に貼付けて製品を作るのですが、これには熟練の職人技術が不可欠です。
一方で、レザーや製品の色を選択するのに、ミラノで行われる国際流行色委員会の会合に参加しています。そこでは2年後の流行色の傾向が決められており、それらを参考にわれわれの製品の今後の色展開やパターンを検討するのです。
私たちの製品づくりはイタリアの伝統的なクラフトマンシップに基づいていますが、もっと革新的でファッション的なスタイルや色も取り込んでいます。
加えて、3年前から息子のロレンツォが会社に加わった事により、イタリアの若手デザイナーとのコラボレーションを実現するなどピネッティに新たな風を吹き込んでいます。


- 今後の予定や、日本へのメッセージなど。
近い将来、リサイクルレザーのラインを立ち上げる予定です。私たちはこの素材の開発に何年も費やしてきました。去年の9月に若手デザイナーのアントニオ・デ・マルコを起用し、リサイクルレザーの新しいラインを計画しています。このコレクションはパリで開催される世界最大規模の見本市Maison & Objetに出展し、好評を得ています。リサイクル素材は、今後も地球環境を考える上でますます重要な位置を締めると考えおり、私たちも微力ながら貢献に挑戦したいと思っています。
私とアルベルトは若い頃から(大昔ですね!)日本の人と文化が大好きです。私たちの家には沢山の日本に関する書籍(建築や、庭、版画やデザインなど)があります。シンプルだけど意味がある、家や家具などの磨き抜かれたデザインを高く評価しています。
皆さんに私たちが製品作りにかける情熱が伝われば嬉しく思います。またイタリアの文化が生んだ世代を超えて伝えられる伝統や技術を少しでも感じて頂けたら最高です。










