スペシャルコラム|日野明子×ごはん同盟「ごはんの炊き方のうそ、ほんと。」 18.10.11

スペシャルコラム|日野明子×ごはん同盟「ごはんの炊き方のうそ、ほんと。」

新米の季節に開催中の、道具のプロ・日野明子さんセレクトによる「日本の道具」展。
開催期間中に、ごはんをおいしく食べるお米のプロ・ごはん同盟のしらいのりこさん、シライジュンイチさんを招いて、おいしいお弁当とともに日野さんとごはんトークを繰り広げていただきました。

  • 今回は「ごはんの炊き方のうそ、ほんと。」をテーマに、知っているようで知らないお米についての知識を再確認しながら、ごはんをおいしく食べられる道具についてもお話いただきました。
    秋の夜長、トークと同時進行でバルミューダの炊飯器で実際にごはんを炊き、最後にごはん同盟さん謹製のお弁当とともに炊きたてのごはんも皆さんに楽しんでいただきました。

    日本酒を飲みながらゆるりとスタート。まずはごはん同盟さんが料理教室などでよくあがるお米やごはんの炊き方についての質問を、一問一答形式で説明してくれました。まずはお米について。

    Q.いつまでが新米といえるのか?
    A.新米は収穫された年の12月31日までに容器に入れられた、または包装されたお米。

    Q.お米を買うときに見るべき情報は?
    A.精米年月日を必ずチェック。

    Q.買った米はどこに保存するべき?
    A.密封して冷蔵庫へ。お米は生鮮食品。湿気と高温と酸素が苦手です。

    など、改めて聞かれると実はきちんとわかっていないような情報ばかり。

  • 次にごはんの炊き方について。米の研ぎ方から炊く前の吸水の大切さ「夏は30分、冬は1時間、ベストは冷蔵庫で2時間」や、鍋で炊くときの時間の目安、米がごはんに変わるプロセスなどの説明が。

    炊飯器を使う場合は「炊飯器は日本人の英知の結晶。取り扱い説明書を必ず読んでその通りにしてください。炊飯器には吸水時間から蒸らしまで含めてプログラミングされています」。そして土鍋を使う場合は「土鍋は蓄熱性が高く、保温力があるので火を止めてもおいしく炊けます。多少水っぽくなっても時間が経つとちょうどよく直してくれるのが土鍋のいいところ」とのお話。

  • 土鍋で炊く場合の時間の目安

    また、ごはんが大好きで土鍋でごはんを炊いているという日野さんとごはん同盟さんのおすすめは断然おひつの利用。「ごはんの味はおひつで変わります。高級炊飯器を買うのもよいですが、同じくらいおひつを買うのもいいと思っています。」というごはん同盟さんの言葉に日野さんも「私もそう思います。私は土鍋で炊いたごはんをおひつに仕上げてもらおうと思っています」。

    そして日野さんが持参してくれた、ご実家で使われていたという20年もののおひつを実際に使うことに。「おひつが全てを調整してくれます。余分な水分を吸収してくれたり硬く炊けてしまったときは水分を戻してくれてふっくら仕上げてくれるんですよね」。

  • 道具について日野さんは「おひつや土鍋は、きれい好きな人にはもしかしたら合わないかもしれません。おひつは経年変化もしますし土鍋も必ずひびが入りますから。ご自分の暮らしに合うものを使うことが大切」。

    日野さんが選んだ器や土鍋、カトラリーなどは見た目の美しさもさることながら、使い勝手もきちんと吟味されたものばかり。つくり手と深くコミュニケーションが取れている日野さんだからこそ選ぶことができるポイントをたくさん教えてくれました。

  • 伊賀で作陶されている山本忠正さんの土鍋。
    持ち手のない土鍋は収納もしやすく、ぶつけて壊すことも少ない。そのまま食卓に出せる美しさも。

  • おすすめのおひつは柴田慶信商店のもの。

  • そして最後はお楽しみのお弁当タイムへ。まずは、バルミューダで炊いたごはんをおひつへ移す実演から。(ちなみにバルミューダの炊飯器はごはん同盟さんがリュックに入れて持参。それくらいコンパクトで軽いんです。)そして炊きたてのごはんでにぎられた塩むすびも。炊いた後のごはんの保存の仕方などについてもごはん同盟さんが的確に解説をしてくれました。そして、秋の味覚がたくさん詰まった新米弁当には、お酒のおつまみになる新米おむすびが三種類。歓談しながら日本酒と一緒に楽しんでいただきました。

  • ごはん同盟さん謹製の「秋の新米、呑めるおむすび弁当」

    ・おむすび三種
    (塩むすび、海苔わさび、紅生姜&牛しぐれ煮)
    ・秋鮭の幽庵焼 すだち釜をそえて
    ・栗とれんこんの素揚げ
    ・ほうれん草のおひたしと菊花の酢の物
    ・出汁巻玉子
    ・柿の白和え

  • かなり熱心にトークを聴いていた方が多く、歓談タイムにはたくさんの質問が飛び交いました。内容はやはりおひつについての日々のお手入れの仕方やサイズの選び方など。その後実際に購入された方は「話しを聞いて、値段は少し高いけれど買って使ってみたいと思いました」とのこと。そのほかにも料理のレシピやレシピに合うお米の選び方など、皆さんの疑問が次々とあふれては解決する、大盛況の秋の一夜となりました。

  • 「日本の道具展 ごはん上手、うつわ上手。」〜10月15日(月)まで開催中です。
    詳しくはこちら。
    https://www.livingmotif.com/news/180904_01